熱帯雨林からこんにちは

書いたり書かなかったり

2020/09/16-2020/09/19

悶々悶々

色々と考えているうちに気づいたら、前の日記から3日経っていた。どういうことだってばよ……。これが無限月読……?

考えていることについては、文章がさっぱりまとまらない。そもそも何を考えているというのだね……。とりあえず、さっきまとまったことを忘備録として一つ書いておきます。

『現代の婦人に告ぐ』大隈重信

www.aozora.gr.jp

早稲田大学創立者で「俺、字が下手だから書かない。全部口で言う」でおなじみの大隈重信が、主宰している雑誌「大観 」残したフェミニズムと男女の家庭での役割に関する文章です。(※リンクは号が違うので、雰囲気だけ伝われば幸い) 青空文庫に乗っている発行データでは、1918(大正7)年8月1日に初出した本だと記録されています。

「大正〜?!どこぞのチラ裏では、的はずれなフェミニズムは『昭和時代か』なんて言われてるのに、それ以前のフェミニズムに関する文章とかどんなもんよ〜」

なんて軽い気持ちで読んでいたのですが、書かれている文章の時代背景を併せて読むとめっっっっちゃおもしろかった。funnyじゃなくて、interestingの方の!!!!!

ということで、以下はググったことを年表にして置いておきます。主に抑えておきたいのは 第一次世界大戦」「参政権 の2つのワードです。大正ですからね、そのころのフェミニズムの話です。男性が軍人や政治家と呼ばれる対外職業が重視されていた、女性が女性解放運動家として活躍していた、そんな時期の文章です。

ここで「読むのめんどくせ」となった人に伝えておくと、本文になんか小難しいことをいっぱい書いていますがざっくりを言うと 「男子も女子も不倫なんてするんじゃないぞ!それぞれの天職をまっとうせよ!」 です。

この結論にいたるまで、一夫一妻制がこれまでの人類史から考えると適切だとか、一夫多妻制をとったことで崩壊した話とか、 トイレはどこの家にもあるよね とか、 男性の乳首ってただの飾りだよ? とか色々書いています。ただ、ここを書くとひたすら長くなったので、省略しました。

ざっくり年表

1911(明治44年)年9月

平塚らいてう主宰による「青鞜」が創刊。

これは日本で最初に生まれた、助成による女性のための文芸誌である。

1914年7月28日

第一次世界大戦勃発

1981年2月6日

イギリスにて、国民代表法の制定により、 30歳以上の一部の女性に投票権が与えられる

1981年8月1日

『現代の婦人に告ぐ』が「大観」に掲載(※大隈重信の主張について参照)

1981年11月21日

イギリスにて、議会(女性資格)法の制定により、 21歳以上のすべての女性に、被選挙権が与えられる

大隈重信の主張

本文内の記載

ここで勘違いしてはいけないのが、大隈重信が本文で述べていることについてである。

本文中で示した自由恋愛(≒不倫)について女性解放運動家だけではなく、男性についても言及。

参政権については、ざっくりとした男女比率で考えれば「女性に参政権にないこと」は矛盾であるとして、彼女らの主張は当然としているが、教育と自覚の点を踏まえて「必ずや我が国にも齎もたらさるべき時期が有るであろうと信ずる」と述べている

ただし自由恋愛が行われることによる、一夫一妻制が崩壊・花柳病の蔓延について懸念を抱いている。また、自由恋愛と婦人の当然の管理の主張は別問題である。

このあたりは時代背景もあり、新婦人(女性解放運動家)への苦言が男性同様に「自由恋愛はいかがなものか」と述べられている

新婦人の活動内容について

新婦人について語る前に、大隈重信は「女子とはこうしかるべき」についてこう定義

女子の気質は淑やかで優しく、英語のいわゆるソフトという感じを与える。(原文ママ) そしてこれがどう自由恋愛(不倫)に繋がるかというと、大隈重信は、女性を批判するために当時のフェミニスト(女性解放活動家)についてこう残してるわけです 今日の一知半解なる婦人論者、世のいわゆる新婦人論者とかいうものはこの根本を無視して往々自然を傷り、婦人の温良貞淑、優美なる性情を損い、而して徒にこれを野卑なる情欲に導き、放縦なる生活に陥れんとするものあるは戒むべき この部分は、しごく真っ当に話をしている「ように見える」んですよ 女子は「ソフトという感じを与える」べき存在であると主張しているので、好き放題やりたい放題にやるのは違うと言ってるわけですから たただレ、何を好き放題やりたい放題やってるかというと 男子に対して婦人の権利を主張し、婦人の人格を尊重せしむると同時に、彼等の乱倫を禁ぜしむるは宜しい

けれども、自ら進んで彼等と同じく乱倫の行為に出でんとするは大いに誤る。

と意見を提示。

なお男性の自由恋愛については男女の役割を踏まえた上で、こう述べている。

この世は男女の申し合せで、各々おのおのその本然の体質性情に従って分業を守らなくてはならぬ。妊娠、出産、子女養育の家庭の任務が無いからして、それを倖いに好い気になって男子が勝手に飛び廻り、仕したい放題をしては困るが、そこは獣類とてもその子の愛すべきを知っている。況いわんや人間に於て子孫を愛せざるものが有ろうか。然しからば良人おっとたるものは、その妻と等しく自己の小供の教育に注意し、その家庭を純浄に保つことを勉めなくてはならぬ。

この文章は特定の誰かに宛てたものなのか?

色々と調べていくうちに女性解放運動家で一人、気になる方がいました。 「東洋のジャンヌ・ダルク」と呼ばれた福田英子です。

彼女は複数の男性の妾として有名な存在であり、また過激な発言も多い存在です。 現在は「妾の半生涯」として彼女の人生を綴った本を販売されています。

そうした経歴を踏まえた上で、ふと考えてみると大隈重信は彼女を意識して書いたのでは?と思いました。

もちろん特定の人物について大隈重信は話はしていませんが、経歴を踏まえると「どうなのかな……」という少しの疑問が残りました。本当のところはどうなのでしょうかね。

さいごに

色々削ったのに結局、文字数の多いクソ駄文が出来てしまって申し訳ない……。 ただ『現代の婦人に告ぐ』は時代背景も加味すると、ただのフェミニズムの文章ではなく、様々な要素の上で成り立っている文章だと気づいたので、それを感じ取ってもらえたら、幸いです。

ねむい!ねます!